サイボウズの創業者 高須賀 宣さんと話をしたこと

先日、3月8日に開催された ITisKansai vol.8。
今回の参加は私にとって特別なものでした。

イベントにご登壇されたのは、サイボウズの創業者 高須賀 宣さん。
あらゆるメディアで、今でも「サイボウズの創業者」と紹介されるのは、同社が当時 ITベンチャーとしての先駆けであり、上場まで至った高須賀さんの偉業そのものが周知されていることがうかがい知れます。

イベントのテーマは「ベンチャー(ここでは公共性のある事業と定義)」。
高須賀さんは、ベンチャー、つまり新規事業に最低限必要な要素は次の6つだとお話しされます。

新規事業に必要な6つの支柱

  • 1. どこに向かうべきか方向を決める
  • 2. その方向に向かうための目標を定める
  • 3. テクノロジー、技術力
  • 4. アカウンティングとファイナンス
  • 5. セールス
  • 6. マーケティング

特段、当たり前のような各要素ですが、やはりこの6つに絞って必要だという背景には、高須賀さんご自身の経験からの重みが伝わってきました。

和製イメージのあった「ベンチャー」は、今でこそスタートアップという表現に変わり、それに必要なのはグロースハッカーなり、少し前だとハスラーという役割も話題になりましたが、古きも新しきも、新しい事業の展開には上の6つに尽きるのだということです。

スタートアップと日本的会社経営

方向を定め、目標を掲げ、高い技術力で突き進んでいくIT系のスタートアップには、6つのうちの下3つ、いわゆる財務・会計や営業、マーケティング・広報といったものは、たいてい後回しになる傾向があるように思えます。

一方、日本の会社というのは、もともと下3つの土台が揃っており、それがなければそもそも会社が成り立ちません。
そして、会社が迷走し出すのは、テクノロジーに優位性がなくなるか、上2つが次第に分からなってくることにあります。

私自身も以前は会社に属していましたが、下3つの土台要素は会社にいるだけでその機能の必要性は自然に身についています。

日本的会社経営はもうだめだ・スタートアップだ、というような吹聴さえ感じられる最近のスタートアップ熱にたいし、私はどちらかと言えば日本的経営の未来を信じているところがあります。

会社勤めをされた経験があり、今この流れの機会にある方はとてもラッキーだと思います。必要なのは上の3つだけ。会社で身についた土台さえあれば、ブレない方向性と、目標に向けて突き進められる力を身につけ、日本的会社経営の新しい未来を作ることができるはずだと信じています。

さらにもう一つ大切なことは、新しいことはいつでも自分のタイミングで始められるということです。

辞めても良い会社と言える

イベント終了後、関係者のご配慮で高須賀さんとの一席を設けていただきました。今回の参加が特別だった理由は、高須賀さんがサイボウズの創業者という以前に、私の前職の大先輩でもあったことによります。

懐かしい話をしながら「辞めた会社だけど本当に良い会社だった」という高須賀さんと私の共通した思いが、より一層 昔話を盛り上げました。
誰にでも目を見て、ゆっくりと話を聞き入れてくれる、思いを汲み取るその姿は、やはり前職の良い会社で見た先輩方と同じ。そんな会社が日本にたくさん増えればいいなというのも、私が期待している日本的会社経営の未来なのかもしれません。
次回またお目にかかれたときには、昔話ではなく未来のことをお話できればと思います。

謝辞
本イベントを開催いただいた ITisKansai 代表の神田 智広さんと関係者の皆さまへ、大先輩としても、魅力的な経営者でもある高須賀さんにようやくお会いすることができました。ここに感謝の意を表します。なお、本イベントは有償のため、これまでに公開されている高須賀さんのインタビューや記事を改めて読んだ上で、本イベントと共通する部分を主に書いています。