人生、選択の連続。だから UI くらいシンプルに。

日本の居酒屋メニューは「すごい」

居酒屋のオーダーにて。
適当に決めれば良いのですが、なんだかあれこれ迷い、
店員さんを待たせてしまうあの経験。

「居酒屋、メニュー」で Google 画像検索をしてみてください。
日本ではメニューの品目の多さに改めて気付きます。
サラダでも4、5種類あるのは当たり前のようです。

提供側は「選択肢を増やすことは顧客満足につながる」
ずっとそう言ってきました。
でも焼鳥屋に餃子や焼きそば、何種類ものピザがなければだめでしょうか。
提供する側は調理の効率が落ち、厨房が忙しくなり、食材の提供が遅れたりしていないでしょうか。

豊富、選べる、オプション、特典

いわゆる豊富なメニュー、オプション、特典。
日本人気質のおもてなしが裏目に出ているのかもしれません。

人生は選択の連続。
洋服は何を着よう、ランチはどこに行こう。
大学や会社はどこに就こう。
そして居酒屋では何を頼もうか。
私たちはたくさんの中から、いつも何かを選択しなければなりません。

焼鳥屋は焼鳥が目立てばいいと思います。
枝豆くらいはあってもいいでしょうか。
カレー屋は、カレーにとんかつを乗せるくらいはいいでしょうか。
辛さの段階、ごはんの量、盛りきれないトッピングの数々、
注文する側がすべて決めなければならないお店。
辛いカレーが食べたくなったら、辛さで評判のお店に行くでしょう。

メニューの数で勝負するお店があっても良いとは思います。
でもそういうお店は全国店への仕入調達にメリットがあり、安く素早く提供できるシステムが整ったお店だからできることです。

IT システムのメニュー

Web サイトにはナビゲーションメニュー、アプリでは機能メニューがあります。メニューにたくさん数があり、ユーザーが操作に迷いそうな場合は、必ず削減することを提案しています。

色々な UI を見ていますが、ボタンやメニューが多いものは、初回から使いにくいと感じることが多く、実際、理論的に導線を引くと複雑なものになっています。IT システムにおいて選択肢が多いことは、ユーザーにとって実は非常にストレスです。自覚の薄い、蓄積するタイプの嫌なストレスです。つまり、UX は低下します。

居酒屋であれこれ迷いながら選んだ経験を思い出してください。
食には、食べるという動作が後にあるため、それほど苦痛な体験として記憶されませんが、何かを便利にしてくれるはずの IT システムは、選択肢が多いだけで、まずストレスを感じてしまいます。

本当に必要なのか疑って情報を設計する

グローバルメニューの階層、アプリの機能メニュー、ボタンの数、オプションの On/Off 設定…
すでに数が多いということは、情報設計や設計思想が間違っているサインです。
どんどん削減するうちに、Web サイトやアプリ自体が本当に必要なのか?というところまで行き着くこともあります。
これはリリースすることだけを目的にした場合にみられます。
数をたくさん出すことは簡単です。提供側は出した後に「それって本当に必要なの?」と疑ってみることが重要です。

最後に、駅でよく見かける立ち食いそば屋の食券販売機を。

soba_store_menu

券売機はボタンが均等に並ぶため、メニューや値段だけで自分の選ぶべきものを判断しなければなりません。
これしか食べない、と決めている常連さんならともかく、多くの初めての人は、このボタンの配列をしばらく眺めて考えることでしょう。後ろに並ぶ人を気にしながら。

メニューの設定、配置、そもそも食券販売という方式が良いのか、店員さんが応対するのがいいのかなど、真の目的によっても「解」はたくさんありそうです。設計というプロセスはそれらをじっくり考えることでもあります。